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概要

現在さまざまな分野で,パーソナルデータをはじめとした大量のデジタルデータを流通させ,利活用してイノベーションを創出することが期待されています。一方で,データ利用の拡大に伴い,データ利用にかかわる倫理的・社会的問題も顕在化するようになりました。データを利用する側には,単なるコンプライアンス(法令遵守)にとどまらない倫理的・社会的配慮に基づく責任あるデータ利用が求められているといえます。
2019年1月のダボス会議における安倍首相(当時)のスピーチでは「信頼ある自由なデータ流通 (Date Free Flow with Trust)」の実現が提唱されました。データ利活用に伴う倫理的・社会的課題への取り組みの必要性・重要性に対する認識は広がりつつあります。しかし,それらの課題に取り組むための具体的な手法や基準は確立していません。
私たちは,信頼ある自由なデータ流通の実現には,データ倫理,すなわちデータ利用に関する倫理規範とそれに基づくガバナンスのあり方を確立し,責任あるデータ利用を確保することが必要不可欠であると考えています。

本プロジェクトでは,

  • データ倫理に関する学問的基礎の形成
    • データ倫理に関する情報集約
    • 倫理理論の形成
    • データ倫理に関する議論の担い手の養成
  • データ倫理のフレームワーク(基本原則やガバナンスのあり方)の提案
    • 倫理規範の提案
    • ガバナンスモデルの提案

を主な⽬的として活動を⾏なっています。

現状認識

  • データ利活用の拡大・高度化⇒社会的・倫理的課題の顕在化
  • テクノロジーの急速な発展・複雑化⇒既存のルールで想定されていない領域の拡大
  • 責任あるデータ利活用の実践には倫理的な取り組みが必要不可欠

研究体制

データ倫理に関する
学術的基礎の形成
実態調査 → 課題把握
国際状況の把握
倫理学的検討
データ倫理
フレームワークの
提案
基本理念・原則
実践方法
ガバナンスモデル
政策提言 情報発信

本プロジェクトは国立研究開発法⼈科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)の「科学技術イノベーション政策のための科学」研究開発プログラムにおいて2019年度に採択されました。
早稲⽥大学を拠点とし,京都大学などと連携して研究を進めています。研究期間は2019年10月1日〜2023年3月31日です。

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